去る2026年6月30日(火)に第24回フーフェス「女風解体新書」が開催されました。

300名を超えるご来場があり、フーフェスにおいても過去最高人数で、女性向け風俗というまだまだ小さな市場ですが、関心を持ってくださっている方が多くいらっしゃったことと会場の熱量に感動いたしました。

まだどんなイベントになるか、どんなメリットがあるのか未知の段階から協力してくださった多くの方のおかげでこのように素晴らしい会となりました。心より御礼申し上げるとともに、開催までの経緯を振り返りたいと思います。もしご興味があればご覧いただけますと嬉しいです。

皆様へのお礼のご連絡しつつ、2日経った7月2日(木)の夜にこの振り返りの文章を書いています。

はじまりは2025年6月、ちょうど1年前、私が初めてフーフェスに参加させていただいた時に遡ります。

フーフェスは風俗事業アダルトビジネス事業者の勉強会という位置付けで、私が参加するようになってからは2カ月に1回会場を変えながら50人〜数百人の規模で開催されていますが、始まりは五反田の風俗事業者の飲み会だったと聞いています。

私が初めて参加した時は「中小女風経営者なんかが参加して相手にされないんじゃないか」という不安もありつつ、私の経営する女性用風俗店「FIRST CLASS東京エスコートサービス」で働くキャストたちのためにも繋がりと学びを増やしていきたい気持ちで足を踏み入れました。

その時は新宿のロフトプラスワンという地下のライブハウスで開催され、100名以上の方々が各々ドリンク片手に名刺交換しつつ、ステージではトークライブで旬の風俗関連ニュースなどを議題に会が進んでいました。

初参加ではありましたが、意外に見知った顔もあり、女風バーの村上オーナー、当店のクレジット決済の担当者、数年前にある依頼をしたことのあるグラディアトル法律事務所の若林弁護士が書籍の販売をされてサインをいただいたりと、アウェイでもなくなんだかホッとする空間でもありました。

私をフーフェスに誘ってくれたのは、もうサイトは閉鎖されましたが女風メディアFEMTASYをつくった方で、その方に主催の郭さんをご紹介いただきました。そのときに郭さんに「女風の人もたまにきますよ」と教えていただき、精力的に動いている人もいるんだなと、私ももっと動かなければ、動いている人だけが風俗ビジネス事業者の中で「女風をやってる人」と認識されるんだなと危機感を持ちました。

それから2カ月に1回開催されるフーフェスに参加し続けて、会う人会う人に、女風店は実はもう沢山あって、最近始まったわけでもなくて、コンセプトも方針も様々で、うちはこんな店で、自称女風と言っててもやばいところも多くて、と色々お話聞いていただきました。

そして半年過ぎた頃に、郭さんから「次のフーフェスで女風回をやりませんか」と声をかけていただきました。実は最初に提案いただいたのは2026年2月の回でした。その時はまたフーフェスの組織というものがどうなってるのか、どんなふうにやるべきものなのか全容を掴めてなかったので、不安もありいろいろ教えてくださいと一旦見送り、そして4月も日程的に核となる登壇者を集めるのが難しそうだからもっと余裕が欲しいなと、6月に照準を合わせました。

4月のフーフェスでは20分枠で登壇させていただく機会をもらい、チラシの私の登壇テーマには「女風で儲ける」というタイトルが付いていました。女風経営8年目で女風の「全方位お客様配慮脳」が染み付いている私は「“儲ける”というワードお客様の目に触れたら炎上とまではいかなくても、これはいかがなものかとなってしまうのでは?」とよぎりましたが「いやいや今回ビジネス向けだから、稼げない話じゃ誰も興味もたないな」と振り切る覚悟を決めチラシでは顔出ししました。ちょうど韓国写真スタジオで別ビジネスでの経営者用のプロフィール写真を撮ったばかりだったので、その勢いもありました。

チラシはフーフェスのXで発信されてましたが、そこまで女風のユーザーの方々の元に流れてくるほどではないだろうと考えました。オーナーの顔写真入りのチラシはお店のXアカウントではリポストや引用コメントできないなと、登壇宣伝は個人のインスタアカウントでこっそりしました。実はインスタアカウント父にフォローされているせいで、女風の投稿はできないのです。なのでストーリーズだけ父をブロックして、ストーリーズでチラシを公開しました。

4月のフーフェス当日は満席で、全体のテーマは「ナイトビジネス独立開業マニュアル勉強会」と題されており、8名の登壇者の中の1人が私でした。実は1週間前のチケット購入者は1人だったそうで、もったいないから録画を販売することにしようという話になってました。そこからのまさかの満席に主催の郭さんもびっくりの様子でした。

20分なので、とそこまでの台本は用意せず、司会である黒人芸人の千太郎さんと、口頭で少し打ち合わせをして、トークはぶっつけ本番でした。なんで女風ビジネスはじめたのかという質問は定番で、女風経営者なら会った人全員に聞かれ1000回以上話していそうなトークで軽快に話せます。

一年参加した私のフーフェスでの会話データによると、ビジネス参入を検討している方々の関心どころは求人のようでした。私からしたら求人なんて山ほどくるのでそもそも普段は考えもしないのですが、なるほど人を少しは揃えられないと店をスタートできないのでまずはそこに疑問を持つのは当然のことです。

そして普通の男じゃお金払おうと女性は思わないわけですから、教育というが女風の要で、まともな店なら各店が力を入れているところです。そこでどんな工夫をしているのかということろがお店のカラーになってきます。こだわりを持っていることだからこそ、話しすぎるくらい力が入ってついついたくさん話してしまうので、20分におさえるためにいつもより端的に短めに話すように心掛けて20分のトークを終えました。通常なら4時間話し続けるので、自分自身かなりコンパクトに収められたとびっくりしました。

締めくくりは「次回フーフェスは6/30(火)女風の全てがわかる回!T2SHINJUKUで開催」と告知し、巨大な会場でのイベントの覚悟を決めました。最低200人は集めないと、会場のスペース的にスカスカ感は否めない。これは私の女風経営人生をかけたチャレンジだ、今まで協力してきてくださった方々や、業界で真剣にプロとして道を切り拓いていく人々と、この女風業界の舵をとり、一度ひとつに繋がることで、業界としての強さを作っていこう、そう誓いました。

今までの自分は、そのとき業界にないことを初めてやったり、情報も1人で取りに行き、一人勝ちしたい考え方に寄っていたところがあると思います。でもこれからの時代は、アダルトビジネスへの締め付けや逆境もある中、また無法な動きをする者も個人発信で目立ててしまう状況で、安全でクリーンで豊かなサービスを守り発展させるには、手を取り合い高みを目指す方が、より強くなれると感じました。

経営者は孤独とよく言いますが、たしかにそういう部分はあると思います。ビジネスをしていて、辛い出来事や苦しい状況もあります。真の意味で同じ立場で共感できる仲間というのは、人間として生きる上で必要であると感じます。私たちは風俗ビジネスというリスクと逆境のある仕事を選んでいます。わざわざそれを選ぶということは、それは我々の生き方であり、その生き方を選んだ同士というのは、心強い仲間だと感じます。

私たちが戦う相手はお店同士じゃない。勇気を出してくださったお客様と、働いてくれるキャストやセラピストに、より良い環境を用意するには、経営者達は時に手を取り合えるところに居つつも切磋琢磨していくことがこの時代に必要なことで、それはフーフェスの2ヶ月に一度集まって顔を見ることのできる状況がこの1年私に教えてくれたことでした。

それに経営者として、他の経営者からの目があれば、中途半端なことや、かっこいいと言えない信念のないやり方はできません。胸を張れないことをしている人は、同業者の集まりに出て来れないというのはどこの業界でも一緒です。こういう集まりの場では、必ずどういうことをどんな考えでやっていて、どんな結果なのか聞かれますから、言いにくいことがある人は出てこれません。いってしまえば業界の経営者の相互監視にもなる環境だと思います。これは安全にサービスを使いたいお客様や、安心な環境で働きたい在籍するキャストセラピストにとってもメリットとなることです。

もちろんこれから頑張りたい人へは暖かくアドバイスもいただけますし怖がる必要はありません。初めてフーフェスに参加した時の私の「相手にされないんじゃないか」という不安は杞憂でしたし、頑張ろうとしている人は歓迎してくださいます。

大変でも躓いても、許せないことがあっても、そこに行けばすでにそれを経験した先輩達が居て、また自分の貫いてきた信念に耳を傾けてくれる人たちがいる。我々はメンタル鬼強と思われることが多いですが、強くビジネスをし続けるために、心を守ってくれる環境設定も必要です。

といっても正直メンタルは弱くはないと思います。メンタル弱いなんて言ってたら、心が壊れそうで駆け込んできてくれる人を包めないから。風俗はそういう役割の側面もあります。だから自分はしっかり立っていたい。そのためには自分で工夫するしかない。自分たちでその環境を作っていく、そして近年の女風文化はまだそれを我々の手で作れるんじゃないか。そんなに面白いことはない。時代を作るのは今走っている自分たちなんだと自覚すると一層ビジネスが面白くなる。そんな思いを込めて「女風解体新書〜史上最大規模!女風の歴史を刻む特別回〜」とタイトルをつけました。史上最大規模になるかどうかなんてわからなかったわけだけど、それに挑戦するのがロマンだと思ったわけです。

さて、ここまでが2ヶ月前までのお話で、長々書きましたがそういう気持ちで今回のイベントを開催するにいたりました。窓の外が明るくなってきたので手短にしますが、実際に当日は300名以上の方に来場いただき、とても賑やかで活気のある会となりました。私が直接お声がけした方もたくさんいらっしゃいましたが、誰かを通じて知ってくださって初対面の方もたくさんいらっしゃいました。

女風店のオーナー代表内勤さんから、女風経営の助けになる関連事業の開発をされてる方もたくさんいらっしゃいましたし、いつものフーフェスの常連である方々も見にきてくださいました。キャストセラピストは、所属店が連れてくる形や許可が出ている場合は入場できる形でしたが、これまた同窓会のように久々に会うもの同士も多かったようで、笑顔に溢れていました。

また今回のイベントでは個人的に特に来ていただきたくて作家さん漫画家さん編集者の方々にお声がけしていました。女風が広まることに一役買ってるのは、書籍や漫画などの作品だと確信してたため、ぜひ生の女風業界を見ていただきたいと思っていました。我々のやっているビジネスは、サービスという形のないものですから、ずっと残る作品に描かれるのはこの上ない喜びでもあります。ぜひリアルな業界を知って創作のヒントにしていただけたら良いなと思っていました。

今回の協賛企業は19社、フーフェスにおいても過去最高件数と聞いています。女風では初めてのBtoBイベントでしたので、みなさんどんなものになるか想像もしにくく、手探りだったと思います。まだどんなメリットや効果のあるものかわからないイベントに、このように賛同いただいたことは今思い出しても感動で涙が滲みます。ブースは直径60cmの丸テーブルという情報のみで、例えばどんなものがあるなんて情報もない中、みなさんよく工夫を凝らしてくださいました。こちらはYouTubeで潜入動画で、現役のセラピストのリポーターがブース紹介していますので、お楽しみいただけたらと思います。

そして今回のイベントのメインコンテンツ、女風業界の全体を網羅するトークショー9本。このタイトル決めには苦戦しましたが、登壇の方々は業界のキーパーソンと言える注目すべき素晴らしい面々でしたので、私も練りに練って初めての方にも興味を持っていただけるように工夫したところです。

まさに女風の歴史を作ってきていて、最前線を走っている方々に、この記念すべき回に登壇いただけたことは本当に幸運で、おひとりおひとりの二つ返事で出演を快諾してくださった心意気に感謝しております。さすが仕事のできる人達はこういうところで心を掴むのかと学びにもなりました。

登壇に関しても協賛に関してしても、チケットを購入しての来場に関しても、やはり先に決めてくださった人がいたからこそ、後に続いてくださった方々がいると思います。今回のこのイベントの勢いは皆さんが踏んでくださったアクセルでどんどん加速していきました。だから不思議と本番を迎える怖さや不安はありませんでした。これだけの方々が協力してくださっているんだから必ず魅力は伝わっているはず、と確信できました。

そして2ヶ月間、数十個のLINEグループに私から深夜絶え間なく送られてくる情報を受け止め続けてくれたスタッフの方々がいます。スタッフといっても普段は別でお仕事ある中で、フーフェスの準備も手伝ってくださっていました。深夜のファミレスで朝まで付き合ってくださったり、告知画像の作成で何度も希望を取り入れてくださったり、チケット売れ行きの進捗を伝えてくださったり、当日は受付に駆けつけてくれた友人もいました。本当にさまざまな方の手が加わりこのイベントが出来上がりました。

風俗業界の巨大イベントでまだまだ市場規模の小さな女風業界に絞ったイベントを打つのは、とても勇気のいることでしたが、フーフェスで歴代幹事をした方々が最初から最後まで、私を励まして応援してくださっていました。風俗業界の方々が、女風業界のこともあたたかく応援してくださっている。このことも女風ビジネスをしている皆さんにも伝えたかったことです。フーフェス主催の郭さんも、提案とサポートを常にしてくれつつも、自由に今回の会をつくらせてくださいました。皆様に心より感謝申し上げます。

今回のご縁をぜひこれからの女風業界の安全と発展のために活かしていけたらと思っています。なにか私がご協力できることがあればぜひお声がけください。最後までお読みいただきありがとうございます。